華道龍生派 創流130周年
華道龍生派創流130周年記念展示会にお誘いいただき、渋谷ヒカリエへ行ってきました。
9階を1フロア使ったとても広い会場です。
入り口を入るとまず最初の作品がこちら。
これはいけばななのか!?と。
オシャレなお店のディスプレイみたいな作品が並んでいます。
花器と剣山のイメージを持って行くと、驚くばかりです。
やはり「いけばな展」だからなのか、年齢層が若干高めなのがもったいない!と思えるくらい素敵な空間です。
龍生派第四代家元 吉村華洲氏の作品は、プロジェクションマッピングを使った斬新なものでした。
木材を組合せた土台に、プロジェクションマッピングで映像を映し、春夏秋冬、四季を表現した作品です。
音楽にもこだわられていて、いけばなの展示会に来ていることを忘れそうになりました。
きらびやかで、アイデアがすごい作品が続きます。
次の部屋に入ったら、これぞいけばな!という感じの作品が出てきました。
これまでの作品は個性を表現する“自由花”、ここからは創流以来伝承してきた“古典華”です。
部屋の空気感が一変しました。
流派の伝統に従っていけられた作品。花器も素人が見てもすごいと思えるものがたくさんありました。
中央には、枯山水を表現したり、鯉を泳がせたり。古典華の魅力が活かせるカタチの映像技術との融合で魅せる産学連携での展示です。
いけばなは本来正面から見るのが基本です。
華洲さんは、どこから見ても美しい形を目指すことで、正面から見たときの美しさに奥行きが出ると言われています。
慣れてくるとその感覚を忘れ、正面から見ることだけを考えていけるようになる。
今回敢えてこの展示方法を取ることで、四方八方から見られる状況を作り、その志を思い出す環境を作ったとのことでした。
天井から吊られているのは、実は初代、二代目、三代目の家元の作品です。
四代目となる華洲さんの今回のイベントを、代々の家元たちが見守っている空間をつくられました。
それらはどこにも説明はされていません。
いけばなの心は見て感じる心。だから敢えて説明はしない。和こころが溢れていますね!
最後の部屋では、オシャレな作品と共に、生花のブローチを作るワークショップや、ドリンクが飲めるバースペースなどもありました。
華洲さんもお客さんへの挨拶をされていました。
決して堅苦しくなく、それでいて伝統はしっかりと感じさせる。本当に隅々までこだわりぬいた素晴らしい展示会でした。
これを見れば、きっといけばなに興味を持っていない人たちも、いけばなに対するイメージが変わると思います。